JR北海道は2016年11月、路線の半分は自力では保てないと打ち出しました。地域の交通、北海道の未来はどうなるのでしょうか。
シリーズの第一回目は、列車が来なくなったマチの現状を辿ります。
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午後9時過ぎ、留萌駅前のタクシー乗り場に一台のタクシーがやってきました。ドアに何やら張りつけたのは「区域乗合」のシール。互いに見知らぬ4人を乗せ、タクシーが留萌駅から走り去っていきます。
2016年の暮れ、増毛-留萌を結ぶ区間で、最後の列車が走りました。最終日は鉄道ファンで込み合いました。しかし通常は1列車に3人ほどしか乗らず、廃線を迎えたのです。
バスは以前から日中に走っていました。鉄道の穴埋めは、朝晩に乗り合いタクシーが増えただけです。利用があるのは月の半分ほど。JR北海道の支援金で、タクシーの経費を賄っています。週に2~3回利用する工藤さんは、増毛から留萌の勤め先に通っています。運転免許は持っていますが、列車で通勤していました。いまはバスに変更し、乗り合いタクシーは事前に予約が必要なだけに、急に帰りが遅くなると困ります。
一方で観光への影響はというと、増毛の国稀酒造では廃線間際には来場者が殺到。その反動から足元では当然、落ち込みますが、今年の3月は昨年の来場者数を上回りました。日の並びと天気に加え、元々自動車で来る観光客が多いことが廃線の影響を薄めているようです。
列車が来なくなった旧増毛駅。JR北海道から町に所有が移ったことで、皮肉にも観光やコミュニティの拠点として拡張計画が動き出しています。鉄道がなくなっても駅に人が集まるのでしょうか? 鉄道が消えて駅が大きくなる増毛。駅の性格が変わっていきます。