JR北海道は2016年11月、路線の半分は自力では保てないと打ち出しました。地域の交通、北海道の未来はどうなるのでしょうか。
シリーズの第一回目は、列車が来なくなったマチの現状を辿ります。
#けいざいナビ #テレビ北海道
http://www.tv-hokkaido.co.jp/news/keizai-nav-hokkaido/
JR北海道は1987年の民営化の後、当初8年で集中して廃線を進めました。22年前になくなったのが、深川と名寄を結ぶ深名線です。人口減少が大きな理由ですが、地域の性格の変化も背景にありました。
6人の客が乗ったこのワゴン車、「ほろみん号」と言います。公共交通のない幌加内と旭川の間を1時間ほどで結びます。退院する夫を迎えに行く女性、買い物の女性もいました。ほろみん号は幌加内町が運営し、1日2往復走ります。町民は無料で使え、ほぼ毎日予約があります。
深名線の途中にあった幌加内町は、空知管内として深川方面と強い結びつきがありました。ところが2010年の支庁再編で上川管内に移管。行政はもちろん、病院や商業施設の多い旭川との関係が深まったのです。
ただ料金を取ってバスを走らせるには、既存のバス会社などを含めた合意が必要。時間もかかります。そこで2014年に無料の試験運行を始め、いまも「試験」の状態が続きます。周辺とのつながりの濃淡は、鉄道があった時代とは変わっています。新たな仕組みを柔軟に作ることが必要となっていました。
消えた深名線を、交通とは別の形で生かす試みも動き出しています。
そばの生産から製粉まで手掛ける坂本さん。廃線後に引き受け手がなかった沼牛駅舎を雪下ろしをして守ってきました。
そこに若手の行政マンらが着目。クラウドファンディングで200万円を集め、2016年11月に駅舎を改築。イベントも開けるようになりました。鉄道や駅の在り方は変わっていくのかもしれません。