【年間247億円の赤字】JR西が17路線30区間発表 “廃線”の危機に地元住人ら困惑

【年間247億円の赤字】JR西が17路線30区間発表 “廃線”の危機に地元住人ら困惑
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新型コロナウイルスの影響で、経営状況が悪化するJR西日本。
これまで、多くの利用客がいる都市部や新幹線でできあがった利益でローカル線を維持してきましたが、11日、一部のローカル線について、区間ごとの収支を初めて発表しました。

公表された17路線30区間は、1日1キロメートルあたりの平均乗客数が2000人未満という、いわば利用客が少ない路線。
年間約247億円の赤字だといいます。

長谷川社長は公表の意図について「関係する自治体の皆さまと情報共有し、より一層対話を深めたい」とし、路線のあり方について各自治体と一緒に考えていきたいという意向を示しています。

あくまでJR西日本は「廃線」とは口にしていませんが、いつも利用する鉄道が大きな赤字だと聞き、地域では不安が広がっています。

近畿で最も営業赤字が大きかったのは、紀勢線の新宮~白浜間。
那智の滝をはじめ、観光名所も多い地域ですが、平日の昼間、電車1本を乗り降りするはわずか数人です。

それでも、利用者からは「残してほしい」「ほかに線が通ってないから、すごく困ると思う」といった声が聞かれました。

また、日本海に面する兵庫の香美町は、カニ漁が盛んなことから冬は観光客でにぎわいます。
その香美町を通る山陰線の城崎温泉~浜坂間についても、大きな赤字が続いているということです。
地元の観光協会によりますと、かき入れ時は雪深く、交通手段として、鉄道に大きく期待しているということです。

こうしたローカル線の「廃線」が懸念される中、14日、兵庫県の斎藤知事は、山陰線でつながる鳥取県の平井知事と会談しました。

(斎藤知事)「JRさん、もともと国鉄という歴史がある中で、(やはりユニバーサルサービスということで、)沿線の一体性を維持していく責任があると思います」。