「JRは高校の生命線」新幹線開業で在来線ダイヤ変更 「乗り換えは…」通学に不安の声【佐賀県白石町】 (22/06/08 19:10)

「JRは高校の生命線」新幹線開業で在来線ダイヤ変更 「乗り換えは…」通学に不安の声【佐賀県白石町】 (22/06/08 19:10)
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9月の西九州新幹線開業の光と影をお伝えするシリーズです。新幹線の開業に伴って、いわゆる並行在来線となり、ダイヤが変わる肥前山口ー諫早間。沿線にある白石町は、生徒の通学に不安の声もあがっています。

【佐賀農業高校 世戸直明教諭】
「ちょうど上りも下りも午前8時20分台に着く電車があるんですけど、それだと生徒もそんなに負担なく来れるので、そういう意味で始業時間はこの時間ということになってきます」

JR長崎本線・肥前白石駅の近くにある佐賀農業高校。6割を超える生徒が電車で通学していて、ダイヤに合わせた時間割りを設定しているといいます。

【佐賀農業高校 世戸直明教諭】
「専門高校なので、学区もありませんし、非常に広範囲から通学してくれている関係上、乗り継ぎ等考えると、これより1本早い電車だとかなり無理をしないといけない生徒が出てくる」

太良町から鳥栖市まで、生徒の通学にはJRが頼りです。しかし、新幹線の開業後は、肥前山口から諫早間が並行在来線になり、ダイヤが変わります。
JR九州は利用者の意見を聞こうと、新しいダイヤ案を沿線の駅に張り出していますが、生徒の反応はさまざまです。

【嬉野市から通う生徒】
「鹿島駅まで親に送ってもらって、そこから電車に乗っている。電車が来てくれないと帰れないので、電車が多く走るというのはありがたい」
【三間坂駅から通う生徒】
「あんまり変わらないのかな。やっぱり朝の本数が少し増えてほしい」
【肥前大浦駅から通う生徒】
「本数は増えるんですけど、やっぱり肥前浜駅に止まったりとか。迎えに来てもらうことが多くなるので親には負担をかけるんじゃないか」

新幹線開業後の新しいダイヤ案では肥前白石駅に止まる電車が上下合わせて41本と、今と比べて6本増えました。
しかし、鹿島市の肥前浜駅では上りと下りで車両が変わるため、ほとんどの列車で、乗り換えが必要になり、生徒の負担が大きくなるとみられています。学校は増便については評価しつつも、不安なのは乗り換えです。

【佐賀農業高校 世戸直明教諭】
「もしかしたら電車が止まるようなことが想定される場合は、ダイヤに合わせて授業を打ち切ります。本当は午前中まで授業をして、生徒を帰したいところだが、乗り換えの電車が間に合わないので、3時間目までして、あとは4時間目以降はカットというのが去年もあった」

できる限り授業をして生徒を帰したいものの、新しいダイヤ案では、どの時間で生徒を帰せばいいのか見えていません。

【佐賀農業高校 世戸直明教諭】
「武雄方面から来る子が江北で乗り継ぐ。多久方面の子が江北で乗り継ぐ。そういった乗り継ぎが四方から来るので、どんな感じなのかというところが、この時刻表では見えなかったので、不安な点」

【田中良宜リポート】
「学校からは、さまざまな意見が聞かれましたが、乗り換えや本数の維持など、不安を抱えているのは町も同じです」

【白石町 田島健一町長】
「白石町からも、佐賀市の学校に行っている子もいる。そういった子も利便性がどうなのか。接続とかがどうなっているのかというのがちょっと見えにくい。」

県教育委員会は先週、県立中学校や高校の“学区”を廃止すると発表しました。佐賀県内どこに住んでいても、希望する高校を受験できるようになりますが、通学の足があるかどうかも学校選びのポイントになるとみられます。

【白石町 田島健一町長】
「年末から志望校を探すでしょうし、通学できるのかどうかというのもみられるのではないか。私どもとしては、非常に佐賀農業、白石高校の存続が危うくなるのではないかという気がする。」

【佐賀農業高校 世戸直明教諭】
「うちの生命線なので、JRが。正直JRがなければ、うちの存在はないだろうと思っている。広い範囲から来てくれているので、それが維持できているのはJRのおかげでもあるので、そういった生徒の方にぜひ目を向けて、なんとかダイヤの維持の方法を考えていただきたい」