例年とも年末の12月になると、翌年3月に行われるJR全線のダイヤ改正の情報が発表され、ニュースや社会で話題を呼ぶ恒例行事となっています。
2022年も12月を迎え、2023年3月のダイヤ改正がどうなるのかに関して、話題と関心が集まるようになっています。
2022年3月のダイヤ改正では、恒久化したコロナ社会の影響を受けて利用者が減少した通勤需要に対応し、朝夕の時間帯を中心に各路線とも一斉に運転本数が減らされたり、列車の編成を短くしたりの内容でした。
2023年になると、もうコロナを意識した外出自粛という考え自体が衰退し、労働者は出勤を、高齢者は外出をとした流れが強まりつつあって、駅や街に人の賑わいが続々と戻ってきています。
<混雑傾向の指摘が台頭>
2015年ころに始まった働き方改革の影響により、長時間労働者も一定比率いたことで、労働者の帰宅時間がばらけていた状態から17時~19時に集中してしまう傾向がもともとありました。
この状況が継続した状態で、鉄道事業者によるコロナ対策の運転本数減が行われたことも加わり、夕夜の混雑が激しくなっているという声が徐々に強くなっているとされています。
そのため運転本数や編成長を一定程度を以前並みに戻す必要があるとも言え、場所の密集や時間帯の分散などによって混雑を緩和する必要性が復活してきていると言えます。
2022年3月にコロナ対策として行った運転本数削減や編成を短くしたことを元に戻すことは、設備である車両や列車自体は存在しており、スジとよばれる運行枠は空いているため、元に戻すことの難易度は低いと言えそうです。
しかしそれ以前に行われていた早朝深夜の時間帯の繰り下げ繰り上げといった運転削減は、各駅や事業所の開始時間~終了時間といった運用面に支障が及ぶため、まずは2023年ダイヤ改正時に減らしすぎた輸送力を戻すことがテーマとなりそうです。
<控えめになる新規トピック>
2023年ダイヤ改正に限らず、関東地方のJR線では、2023年にあまり大きな動きはないとされ、新型車両・引退車両・新規列車・廃止列車・新駅・廃駅もわずかとなっています。
京葉線では幕張豊砂駅が開業し、車両の動きに関しては公式な発表はなく、房総特急の255系や上越新幹線のE2系の定期運用引退の可能性などが関連情報からの推測で明るみになっています。
本来なら2023年のダイヤ改正くらいの時期より、中央快速線のグリーン車の運行が開始される計画もありましたが、コロナの影響や部品調達の問題などから、1年以上延期になってしまっています。
<その他の小さな動き>
東海道本線や中央本線では、コロナ後に通勤用の短距離特急を運行していますが、これらは先行した需要対応というよりは、車両の余り枠の有効活用という感があります。
過去には総武本線系統・横須賀線系統・常磐線・京葉線でも行われたことがありましたが、通勤用の短距離特急はあまり好評ではなく、実際に東海道本線や中央本線でも同様のようです。
こういった列車は利用者にはあまり直接的な影響が及ばないこともあって、ひっそりと運転本数が削減することがあり、それをダイヤ改正のタイミングとすることがあります。
また、リモート勤務などが進んでもさほど都心回帰の流れを止めることもできなかったので、長距離通勤エリアの利用者減少は著しいため、既存列車の運転区間の短縮などもダイヤ改正時にひっそりと行われます。
<2023年は目立った動きなし>
以上のことからも、2023年3月のJR東日本(関東地区)ダイヤ改正は目立った動きや注目点がほとんどなさそうなため、新駅と引退といった特定の事象に焦点が集中する可能性があると言えそうです。
あちこちで出発式などが行われることもないため、メディアや関係・撮り鉄のみなさんも特定の事象に殺到することも予想されます。
しかし社会の変化は着々と進んでいるため、現状ダイヤと需要・社会環境のギャップについては、様々な鉄道風景を見ながら今後も考え続けていく必要はありそうです。
#ダイヤ改正